矯正治療における親としての役割

大切なお子様の将来のために

親御さんが子供だった頃には、矯正治療とはほんの一部の子供が受けるものだったのではないでしょうか? しかし食生活が変わった昨今、やわらかい食べ物が増えたことなどによって顎が成長せず、歯並びが乱れて矯正治療が必要なお子様が増えています。「本当に、うちの子に矯正治療が必要なのか?」と考えられる親御さんも少なくないでしょう。

歯並びの乱れは見た目の問題はもちろん、お子様のお口の健康、ひいては全身の健康にも関わる重要な問題です。親御さんには大切なお子様の将来のために、歯並びをよくチェックしていただき、前向きに矯正治療と向き合っていただきたいと思います。

歯並びの善し悪しは骨格に左右されます。つまり、骨格が正常であれば、将来、整った歯並びが期待できるのです。矯正治療によって骨格の正常な成長を促すことはとても重要だといえるでしょう。

こんなクセはありませんか?

日頃の何気ないクセ、実は歯並びに影響を与えています。お子様に次のようなクセはありませんか? 日頃から気にかけ、チェックしてみましょう。

  • 【指しゃぶり】 前歯を指で押し出してしまい、出っ歯開咬を招きます。
  • 【頬づえ】 下顎に頭の重さがかかり、歯並びや顎をゆがませてしまいます。
  • 【歯ぎしり】 歯や歯ぐき、顎の骨まで強い力がかかり、歯並びを乱してしまいます。
  • 【唇・爪などを噛む】 歯に負担をかけ、噛み合わせの位置をずらしてしまいます。
  • 【口呼吸】 舌や頬などの筋肉の正しい運動を妨げ、歯並びを悪化させます。
  • 【口をポカンと開けている】 口呼吸を習慣付け、出っ歯や開咬を招きます。

お子様にこのようなクセがある場合には、できるだけ早めに直してあげるとともに、歯並びに心配な部分があれば、一度当院にご相談ください。

適した治療開始時期とは?

歯並びの乱れにはさまざまな種類があり、お子様一人ひとりによってお口の状態はまったく異なります。こちらでは、年齢別に適した治療時期をご紹介します。適した治療開始時期を逃さず、効果的な矯正治療を行うために、一度お子様に診察を受けさせてあげてください。

矯正治療をはじめる時期は早ければ早いほうがよいとされていますが、実年齢と骨格の年齢には差があります。当院では、検査の際に「正面・側面・手」のレントゲンを撮影して骨格の状態を確認しながら治療を行います。

幼少期(3~5歳)
歯並びの問題
  • 受け口: 永久歯への生え替わりで自然に治るケースもありますが、早期治療が適している場合もあります。
  • 指しゃぶり: 歯並びに影響するため、やめさせてあげられるといいでしょう。
  • 下顎のずれ: 日頃のクセが原因で下顎がずれている場合、顎がゆがんで成長してしまうことがあります。
治療の開始時期について 一般的にはまだ開始するのは早いと考えられますが、症状や親御さんのご要望などによって開始するケースもあります。
ケアについて 毎日の親御さんの仕上げ磨きや歯科医院での定期的なフッ素塗布が大切です。
小学校低学年
歯並びの問題
治療の開始時期について 取り外しのできる装置を使った治療などを開始するのに、適した時期です。
ケアについて 取り外しできる装置はブラッシング時に外すことができますので、食事や口腔ケアのじゃまになりません。固定式の装置の場合は虫歯になりやすいため、仕上げ磨きをしてあげてください。
小学校高学年~中学生
歯並びの問題 小学校低学年の頃と同じく、 など
治療の開始時期について お口の中はほぼ成人と同じ状態になっていますが、顎の骨はまだ成長過程であり、本格的な矯正治療を開始するのに適した時期です。
ケアについて 固定式の矯正装置はブラッシングがしにくいため、虫歯になりやすくなります。親御さんのチェックを嫌がる時期になるかと思いますが、できればときどきチェックしてあげるといいでしょう。

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