「機能的矯正」という治療をご存じですか? これは、人が本来持つ「噛む力」や「舌の力」をうまく利用して、歯や顎を正しい位置に導いていく矯正治療のこと。他の装置を用いた場合と比較して、歯だけ傾いてしまうということが少ないため、治療後の顔つきがより自然になるのが特徴です。また自然な力を活かすことで、後戻りがしにくいというメリットもあります。
機能的矯正のメリット
機能的矯正の流れ
まずは、取り外し可能な装置を装着します。はじめは、毎日夜間と昼間2~3時間からスタート。徐々に装着時間を長くしていきます。装置は通学・外出時には外すことが可能です。
次に、取り外しができないタイプの装置を装着します。この期間はブラッシングしにくく虫歯になりやすいため、当院ではできるだけ短期間で終えられるよう工夫しています。
歯や顎が正しい位置に移動したら、後戻りを防ぐために「リテーナー」という保定装置を装着し、安定させます。保定期間が終わると、治療は完了です。
機能的矯正が必要な歯並び
歯並びが乱れる原因は、実は歯ではなく、ほとんどの場合上下の顎の発育の問題が考えられます。さらに、その顎の骨の発育に影響するのが、舌の力。機能的矯正では、舌や唇の筋肉の力を有効に利用して、歯へ直接ではなく周囲から働きかけて、正しい口元の成長を導く治療を行います。お子様の歯並びを確認した際にご心配な点がある場合には、一度当院にご相談ください。
機能的矯正の大切なポイントには、「開始時期」があります。なぜなら、機能的矯正においては、「成長する力」がとても重要なカギを握っているからです。逆にいえば、成長期を過ぎ、顎の形が決まってしまってからでは治療は遅すぎるといえます。つまり、正しい顎や骨格、噛み合わせへと導くためには、早期に治療に取り組むことがとても重要なのです。
早期矯正は、ある意味「未来の顔の治療」といえるでしょう。顎や骨格が正しく育たないと、顔つきがゆがんだり、気道が狭くなってしまったりとさまざまな障害が生まれてしまうことがあります。お子様の未来のために早期に診断を受け、適切な治療の開始時期を知っておくことをおすすめします。